住宅を借りる

住宅を借りるとさまざまな権利と義務が生じます。家主は突然契約を解除することはできませんし、借り手も規則を守らなくてはなりません。

賃貸契約

通常、家主と入居者の間では文書による契約が交わされます。口頭による契約もありますが、あまりお勧めできません。いずれにせよ、契約には少なくとも債務法(Obligationenrecht | Droit des obligations)で定められている法的権利と義務が生じます。

家賃

通常、実質賃料と追加費用(暖房、給湯など)をあわせて家賃とされます。追加費用として請求できるのは、契約書に記載されている項目のみです。月々の家賃は一ヶ月前に支払わなければなりません。家主は正当な理由がある場合のみ賃料を上げることができ、その場合は、早めに公式の書式で入居者に通知しなければなりません。値上げが不当と感じたら、30日以内に居住地域の調停局( Schlichtungsbehörden | Autorités de conciliation)に相談することができます。家主は家賃に加え最高で家賃三ヶ月分までの敷金 (Kaution | Caution) を請求することができます。敷金は退去時に返却されます。

入居

入居の際には、必ず、契約書と一緒に破損箇所リスト(Wohnungsabnahmeprotokoll | État des lieux)を作成します。リストは家主と借主で賃貸物件の既存の破損箇所を確認して作成します。これにより、以前の入居者が破損した箇所について新しい借主に不当に請求がいくことを防ぐことができます。ペットを飼っている場合は、事前に室内で飼育が可能かどうか問い合わせる必要があります。入居から二週間以内に引越先の自治体に転入届をしなければなりませんので、ご注意ください。

住居の破損

住居内の小さな破損(シャワーホースや石鹸置きの取り替えなど)は入居者が負担します。大きな箇所の費用は家主が払いますが、入居者が破損を引き起こした場合は、入居者の自己負担となることもあります。こういったケースに備え、個人賠償責任保険に加入しておく必要があります。どこかが破損した、または改装(壁の塗り替えなど)したい場合は、家主に連絡してください。より大きな問題(暖房や洗濯機の故障、工事の騒音など)が生じた場合は、問題が解決するまで家賃の値引きを受ける権利があります。

解約告知

入居者および家主は一年のうち決められた日にしか解約の告知ができません。さらに、解約告知は適時、書面で行なわれなければなりません。解約告知の日取りと期限は、通常、賃貸契約書に記載されています。住居の場合、解約期限は3ヶ月以上とされるのが普通です。家主から解約告知をするときは公式の書式に則る必要があります。これを不服と感じる場合、入居者には調停局に相談するため30日間の猶予が与えられます。無料で法律相談を受けることも可能です。また、特定の状況下であれば、入居者が適用される期間や期限外での解約(通知なしの解約)も可能です。この場合、原則として、自分で次の入居者を探さなければなりません。次の入居者は一定の条件を満たす必要があります。正確な手順や適用されるルールについては、問い合わせた方がよいでしょう。